TLPドイツ語

文化の国、音楽の国、哲学の国、そして科学技術の国。これがドイツのもつイメージではないでしょうか。接触と推移に満ちた多様性が国を成り立たせており、その均衡のために必要な寛容を、克服すべき過去と向き合いながら積極的に実践に結びつけようとしている、EUの中心国なのです。またドイツ語は、ドイツ、オーストリア、スイス以外にもイタリアの北部地域やルクセンブルクなどで公用語となっています。中欧から東欧へと旅をして、英語を別にすれば、ドイツ語ほど便利な言語はないでしょう。

Kunstakademie in Düsseldorf-Alstadt, Germany
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トライリンガルプログラム・ドイツ語(TLPドイツ語)は、このドイツ語を高度なレベルで修得できるように設計されています。1年生基礎科目(必修)の初修ドイツ語一列、二列はクラスごとの通常授業ですが、2年次のSセメスターまで毎学期、TLP用のインテンシヴ・コースと演習(それぞれ最大定員20人のクラスが二つ)を計3コマを履修することになっています。初修で始めるドイツ語ですが、学術言語の面でもコミュニケーションの面でも実践可能な能力に近づくよう、工夫がなされています。とくに実践面では、欧州で外国語の習得状況を示すために用いられる「ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)」に沿った授業計画が練られる予定です。

受入者数およびクラス編成

2016年度以降、TLPドイツ語は2クラス(各クラス上限20名)編成の予定です。

履修の条件

2016年度以降のTLPドイツ語は前期日程、推薦入試、特別選考のすべての合格者の中で、英語のレベルが上位1割程度と判断される合格者が履修可能です。ただし、履修希望者数が定員を超える場合は、履修許可は限定されることになります。

また、各セメスター終了時にプログラム参加者の再調整があります。英語の成績やドイツ語の成績からTLPを履修するレベルがあると判断され、途中からの参加を希望する学生には、定員に余裕がある限り履修を許可します。なお、履修希望者が定員を超える場合は、履修許可は限定されます。他方、英語の成績やドイツ語の成績からレベルに達していないと判断された履修者は、次のセメスターでTLP用の演習とインテンシヴ・コースを履修できません。

従来のインテンシヴ・コースも開設され、こちらは誰でも履修可能です。その他の総合科目L系列の選択授業も関連を持たせ、途中からでもTLPに参加しやすい環境を作る計画です。

取得すべき単位数

授業内容

TLPドイツ語では、Menschen. Deutsch als Fremdsprache (Hueber) を使用します。週3時間のTLP用の授業では、とりわけ会話・ヒヤリング力の向上と語彙の拡充に重点が置かれています。

文科生・理科生
基礎科目 基礎科目 総合科目L 総合科目L 総合科目L
1年 S 一列 二列 TLP用演習 TLP用インテンシヴ TLP用インテンシヴ
1年 A 一列 TLP用演習 TLP用インテンシヴ TLP用インテンシヴ
2年 S TLP用演習 TLP用インテンシヴ TLP用インテンシヴ

文科生

  • 一列、二列:1年次Aセメスター終了まで、基礎科目の必修クラスで、共通教科書『アインブリッケ』を使って学習します。初級文法を中心にした総合的学習を内容とします。
  • TLP用演習:TLP用インテンシヴ・コースと有機的に関連づけて、日本語を多用したフォローアップを行います。
  • TLP用インテンシヴ・コース:ドイツ語の教材を使用して学習します。TLP用演習も有機的に組み込み、生きたドイツ語に慣れ親しみながら多面的なドイツ語能力を訓練する週3コマのインテンシヴなコースを提供します。

理科生

  • 一列、二列:1年次Aセメスター終了まで、基礎科目の必修クラスで、共通教科書『アインブリッケ』を使って学習します。初級文法を中心にした総合的学習を内容とします。
  • TLP用演習:TLP用インテンシヴ・コースと有機的に関連づけて、日本語を多用したフォローアップを行います。なお通常の履修要件では、理科生は演習が選択必修ではありませんが、1年次Aセメスター時点のTLP生にはTLP用演習を履修することがTLPの修了要件に含まれます。
  • TLP用インテンシヴ・コース:ドイツ語の教材を使用して学習します。TLP用演習も有機的に関連づけて、生きたドイツ語に触れながら多面的なドイツ語能力を伸ばすコースを提供します。

目標とする運用能力

TLP修了時に「ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)」A2レベル程度に到達し、とくに優秀な履修者はB1レベルを狙うこともできると考えています。

このプログラムを通じて、学生の皆さんがドイツ語圏に短期・長期の留学をして、ドイツでドイツ語を学ぶきっかけを作れればと思って、このTLPドイツ語を作成しました。皆さんにドイツ・ヨーロッパを現地で経験してもらいたいと願っています。